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2009年09月26日

3 強く・・・

3、

三年生に上がり 夏休みを終えた ある日

体調を崩した

何かがおかしい。。。
目がチカチカし、ろれつも回らなくなり、吐き気、頭痛を繰り返した。。
そんな時、生理が2日遅れていた事が気になった。。

もしかして・・

旦那(翔くん)に相談し、二人で薬局へ行き、検査薬を買った。 待ちきれず、近くのトイレで検査。

結果・・・


陽性反応・・・


私は 今までにない 感動と 飛び上がる程の 気持ちで一杯だった。

二人で公園の片隅にうずくまり、沈黙が続いた。
(3月の卒業まであと6ヶ月・・・よーし 卒業はできるぞ。)

心の中で計算し、嬉しさで一杯だった。

学生という事もあり、もちろん不安もあった。 
私には 何の自信も強さも優しさもなかった。

だけど、私と翔くんを選んで、認めて、宿ってくれた 一つの希望。

この子を裏切るわけにはいかない。
何としてでも 私が守るから、元気に生まれてくるのを楽しみにしてるよと毎日呟いた。

そして あなたが生まれてくる頃 私も強くなるから。と誓った。


今まで以上に何もかもが楽しくなった。

学校の些細なゴタゴタもきにならなくなった。 
月1の検診。。。
二人そろって 欠かさず行った。

少しずつ大きくなる姿に涙を浮かべた。


ただ・・・
親・おばあちゃんには言えなかった。。。

今言ったら
『おろしなさい』って言われるに違いない!

だって今までの私を見てきた人は 私を認めてはいない。

『よーし!もう少し待ってね。下ろせないくらいの時期になったら皆に報告するから!早く大きくなるんだよ』

って・・・

身近にいて いつも気遣ってくれた 妹には報告した。

日に日にお腹は大きくなり、隠しながら学校生活・日常生活を送った。

学校は作業も多かった。
苦より 意地で乗りきった。なんのこれしき〜!とプランターを持ち上げ、授業中には ノート一杯に名前を考えた。。

自分には守らなければならない物がある。宝があるんだ。
そして親子三人幸せになるんだ。って。

一つの命が、私に希望を与え、やる気を与え、強さを与え、そして、楽しみを与えてくれた。

ありがとう。と感謝の気持ちを自然に伝える事ができた。


けど学校生活は 楽ではなかった。

お腹は大きくなり 目立つ。。女の先生は気づいた。
そして職員室へ呼ばれた。

目の前に出されたのは 退学届け。

『自主退学しなさい』

教頭先生がいった。

わかっていた。学校に通っているのに妊娠していると教育委員会や他校、生徒達に影響がでて迷惑になるって。

そこで、教頭先生に訪ねた。
『強制退学ですか?』

教頭先生は言った
『違います。強制はしません。18才で妊娠する事は法律で認められています。だから強制ではなく自主退学を薦めます。妊娠して作業など大変でしょ〜。ゆっくり休んだ方がいいよ〜』

優しさの裏に、学校の為に理由をつけて辞めなさいと言ってるんだと気付き、

『じゃぁ、わかりました。。。
私は自分から引き下がることはしません。子供の為にも。
そして迷惑をかけるようなこともしません。お腹も出来るだけ隠します。強制でなければ、安心して続けさせて頂きますので気にせずに』

とハッキリ伝えた。

一件落着。。。
喧嘩せず まとまるようにまで成長していた。


待ちに待った卒業式。

お腹は制服のボタンでは留まらないほど大きくなり、お腹の中で順調にスクスク育った子供は 8ヶ月になっていた。

今日こそ、どうどうと皆に報告できるね。と呟き、隠したお腹を前へ突きだして舞台へあがった!
一礼をし、出席してくれていたおばぁちゃんへも堂々と見せた。

校長先生の目には涙がうかび、先生方も大きな拍手を送ってくれた。

最後の花道・・・

先輩・後輩・先生方 たくさんの方から 持ちきれない程の お菓子や人形、子供服、お手紙、花束を頂いた。

初めて努力を認めてもらえた気がした。


そして一緒に乗りきってくれた 翔くんと お腹の子に 『おめでとう』といい お祝いをする事ができた。

そして また新しい生活が始まった・・・

〜つづく〜



Posted by 常音 at 12:44│Comments(0)
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